SEOキーワードの選び方|検索ボリュームより先に見るべき3つのこと

キーワード選定の解説では、たいてい「検索ボリュームを調べましょう」から始まります。 しかし実務では、検索ボリュームを最初に見ると判断を誤ります。

先に見るべきものが3つあります。上位10件の顔ぶれ、検索意図、そして1件あたりの粗利です。 検索ボリュームは、その後で構いません。

最初に見るのは「上位10件の顔ぶれ」

これが最も重要で、最も見落とされている手順です。 やることは単純で、狙いたいキーワードで実際に検索し、上位10件を見るだけです。

上位10件の構成から読み取れること
上位を占めるサイト意味判断
比較サイト・ランキング記事ばかり Googleが「比較情報が適切」と判断している 事業者サイトは入りにくい
大手ポータル(SUUMO、食べログ等) 網羅性が求められるクエリ 一社では勝てない
公的機関・大手メディア 高い信頼性が要求される 中小事業者には困難
地域の事業者サイトが複数 事業者サイトが適切とされている 狙える
個人ブログや古いサイトが混在 競合が弱い 狙い目

上位10件に自社と同じ立場のサイトが1件もないなら、そのキーワードは諦めてください。 これは実力の問題ではなく、Googleがそのクエリにどういうページを出すと決めているかの問題です。 どれだけ良いページを作っても、構造的に入る余地がありません。

検索するときの注意

キーワードの競合度と成約への近さ競合の強さと購入意欲の2軸で、中小事業者が狙うべきキーワード領域を示したマトリクス。大手のブランド投資領域「SEOとは」など情報収集層向け最激戦区「保険 見積もり」など短期では届かない効果が出にくいニッチすぎて件数につながらない狙い目「歯医者 品川」型地域名+業種の複合語成約への近さ(購入意欲)→ 高競合の強さ → 強
中小事業者が最初に取るべきは右下。競合が弱く、検索した時点で依頼先を探している層です。

検索意図の4分類

同じ商材でも、検索する言葉によって相手の状態がまったく違います

検索意図の4分類と、事業者にとっての価値
分類相手の状態成約への近さ
Know(知りたい)SEOとは/虫歯 原因情報収集遠い
Do(やりたい)SEO やり方/歯 白くする 方法自分でやろうとしている
Go(行きたい)歯医者 品川/◯◯歯科 場所場所を探している近い
Buy(頼みたい)インプラント 品川 費用/SEO 依頼依頼先を決めたい最も近い

予算が限られているなら、GoとBuyから始めてください。 KnowとDoは検索数が多く魅力的に見えますが、 そこから成約までの距離が長いうえ、 AI検索の要約で完結してしまう割合も高い領域です。 オウンドメディアを長期運営する体力がある場合にのみ有効です。

1件あたりの粗利から逆算する

「検索数が少ないから意味がない」という判断は誤りです。 必要なのは検索数ではなく、そこから得られる粗利です。

検索数が少なくても成立する例(いずれも仮定値)
キーワード例月間検索数1件の粗利月1件成約なら
インプラント 地域名3020万円20万円
不動産売却 地域名2050万円50万円
板金加工 地域名40継続取引年間数百万円
ランチ 地域名2,000500円500円

月額5,000円のSEOに対して、上の3つはいずれも1件で回収できます。 検索数2,000の飲食店キーワードより、検索数20の不動産売却キーワードのほうが事業インパクトは大きい。 費用対効果の計算方法はこちら

検索ボリュームの調べ方と読み方

調べる方法

キーワードプランナーの注意点:広告を出稿していないアカウントでは、 「100〜1,000」のように幅でしか表示されません。 ただし実務上は桁のオーダーが分かれば十分です。 月10件なのか、1,000件なのかが分かれば判断できます。

数字を鵜呑みにしない

キーワード候補の見つけ方

机上で考えるより、実際に検索されている言葉を集めるほうが確実です。

  1. Search Consoleの検索クエリ——すでに表示されているのに順位が低いキーワードは、最優先の候補です
  2. お客様が電話で使った言葉——「◯◯って書いてあったから電話しました」の◯◯
  3. サジェストと関連キーワード
  4. 競合サイトのtitleタグ——各ページが何を狙っているか読み取れます
  5. お問い合わせフォームの質問内容——そのまま検索されている言葉です

最も効率が良いのは1です。Search Consoleで「表示回数はあるが平均掲載順位が11〜30位」のクエリを探してください。 すでにGoogleが「関連あり」と認識していて、あと一歩の位置にいるキーワードです。 新規で狙うより、はるかに早く上がります。

キーワードの層構造を作る

1つのキーワードだけを狙うのではなく、層で押さえると流入が安定します。

歯科医院の場合の層構造(例)
役割
基本層歯医者 品川最大の流入源。競合も最多
診療科目層インプラント 品川/矯正歯科 品川単価の高い層を獲得
症状層歯 痛い 品川/親知らず 抜歯 品川緊急性が高く成約に近い
比較層歯医者 品川 口コミ/夜間 歯医者 品川条件で絞っている層

層ごとにページを分けてください。 1ページで全部狙うと、どれにも中途半端になります(1ページ1キーワードの原則)。

カニバリゼーションを防ぐ

カニバリゼーションとは、同じキーワードを狙うページが自サイト内に複数存在し、 互いに評価を分散させてしまう状態です。

見つけ方

Search Console の「検索結果」レポートで、特定のクエリを選び、 「ページ」タブで複数のURLが表示されていないかを確認します。 複数出ていれば、カニバリゼーションが起きています。

対処法

状況別の対処
状況対処
内容がほぼ同じ1ページに統合し、片方を301リダイレクト
内容は違うが狙いが重複片方の狙うキーワードをずらし、title・h1を書き換える
意図的に複数ある(店舗別など)地域名など固有の語を必ず入れて差別化
キーワードが決まらないときは、ご相談ください

業種と商圏をお伺いすれば、上位10件を確認したうえで候補をご提案します。
地域名を含む複合キーワードなら、空き状況もその場で確認できます。

キーワードの空きを確認する 入力3ステップ・約1分/キーワード未定でも進めます

キーワード候補を100個出す手順

選ぶ前に、まず候補を広く集めます。思いつきで3つ挙げて選ぶと、たいてい競合が強すぎる語を選びます。 無料でできる方法だけで100個は出せます。

  1. Googleのサジェスト。検索窓に「業種名 」と入力して表示される候補をすべて控える。ひらがな1文字ずつ足すと候補が変わります
  2. 再検索キーワード。検索結果の最下部に出る「他のキーワード」。実際に検索した人が次に何を調べたかが分かります
  3. 「他の人はこちらも質問」。検索結果の途中に出る質問集。そのままFAQの見出しに使えます
  4. 上位10件のタイトルと見出し。競合がどの語を狙っているかがそのまま分かります
  5. 自社の問い合わせ記録。これが最も価値があります。お客様が電話で使った言葉は、検索でも使われます
  6. Search Console の検索パフォーマンス。すでに表示されているのにクリックされていない語は、伸びしろです
  7. 地名の分解。市区町村名だけでなく、駅名・学区名・地域の通称も候補になります

5番を軽視しないでください。 「エアコンが臭い」「歯茎から血が出る」——お客様が実際に使う言葉は、 業界人が使う専門用語とずれています。ずれているからこそ競合が少ないのです。 問い合わせ対応の担当者に、よく聞く言い回しを書き出してもらってください。

候補を絞り込む採点表

出した候補を、次の5項目で採点します。各項目1〜3点、合計15点満点。 12点以上なら着手する価値があります。

キーワードの採点基準
項目3点2点1点
成約への近さ依頼先を探している比較検討中情報収集
上位10件の顔ぶれ同規模の事業者が5件以上3〜4件大手・ポータルのみ
自社の強みとの一致得意分野そのもの対応可能受けられなくもない
対応できる商圏か主要な商圏対応可能な範囲遠い
1件あたりの粗利年間費用を1件で回収3件で回収10件以上必要

「検索ボリューム」が項目に入っていないことに注目してください。 月10回しか検索されなくても、5点満点の3項目が3点なら着手する価値があります。 逆に月1万回検索されても、上位が大手だけなら1点です。 実際の順位変動は34キーワードの実測データで公開しています。

1語決まったら、次にやること

メインのキーワードで順位が付いたら、そこから横に広げます。 ゼロから別の語を狙うより、はるかに早く結果が出ます。

ただしページを増やすときは、カニバリゼーションに注意してください。 「歯医者 品川」と「品川 歯科医院」で別ページを作ると、内容がほぼ同じになり評価が分散します。 同じ検索意図なら1ページにまとめるのが正解です。

キーワード変更の実務|申請から反映までの日数(33件)

ここまで、キーワードを選ぶ手順を説明してきました。 とはいえ最初に選んだキーワードが最後まで正解とは限りません。 当社はキーワード変更を無料で受け付けていますが、 実際に申請してから反映されるまでどのくらいかかるのかを、 社内の変更申請フロー33件から集計しました。

調査条件

  • データソース:変更申請フォーム、社内承認フロー、反映タイムライン(稟議書33件)
  • 集計期間:2023年2月1日〜2025年8月15日
  • サンプル数:33件
キーワード変更の反映までの日数(33件)
反映までの日数件数割合備考
1〜3日14件42.4%標準的な反映期間
4〜7日11件33.3%確認が必要なケース
8日以上8件24.2%競合調査が必要なケース

42.4%が1〜3日で反映されており、申請から反映までの標準フローは機能しています。 「上位10件の顔ぶれを見て違和感があった」「思ったより競合が強かった」—— そう感じた時点で申請すれば、多くの場合は数日で切り替えられるということです。

一方で8日以上かかるケースが24.2%あります。 理由の多くは上位10件の顔ぶれを確認し直すための競合調査、 または新しいキーワードが当社の対応範囲(地域名を含む複合キーワード)に 該当するかどうかの承認待ちです。 「決め直せる前提」であっても、切り替えには数日〜1週間強の空白期間が生じる点は、 最初のキーワード選定に一定の時間をかける理由にもなっています。

実務上のおすすめは、候補を絞り込む採点表で 12点以上の候補を2〜3個あらかじめ用意しておくことです。 最初に選んだキーワードの反応が芳しくなくても、 次の候補が決まっていれば、変更申請から反映までの日数をそのまま短縮できます。 何も決めずに変更を申し出ると、競合調査からやり直すことになり、 8日以上かかる側に回りやすくなります。

キーワード変更は無料で何度でも可能ですが、変更した契約期間は返金保証の対象外です利用規約第8条)。 月ごとに何度もキーワードを変え続けるような運用は、 当社のサービス設計にはなじみません。 短期間で成果を判断せず、効果が出るまでの期間を踏まえたうえで、 変更の要否を検討することをおすすめします。

よくある質問

キーワードは最初に完璧に決めるべきですか?

完璧を目指す必要はありません。実際に数ヶ月動かしてみないと、競合の本当の強さは分かりません。当社がキーワード変更を無料で受け付けているのは、決め直せる前提のほうが結果が早いためです。ただし変更すると返金保証は対象外になる点はご承知ください。

ロングテールキーワードだけ狙えばいいですか?

ロングテール(3語以上の細かいキーワード)は競合が弱く上がりやすい反面、1つあたりの流入が非常に少なくなります。数十〜数百本の記事を積んで初めて効く戦術です。1〜3キーワードで勝負するなら、2語の地域複合キーワードのほうが効率的です。

競合が使っているキーワードを真似してもいいですか?

参考にするのは有効です。ただし競合が上位表示できているのは、そのサイトの評価があるからかもしれません。同じキーワードを狙う前に、そのサイトのドメイン年数・ページ数・被リンク状況を見てください。自社との差が大きければ、別の切り口を探すほうが早くなります。

「SEO」のような1語のキーワードは狙えませんか?

狙えますが、現実的には数百本の記事資産と数年の期間が必要です。上位はSEO会社の大規模オウンドメディアが占めています。まず売上につながる中間キーワードで基盤を作り、その後で挑むのが現実的な順序です。なお当社のサービスは単一の大規模キーワードを対象外としています

検索ボリュームはどうやって調べますか?

Googleキーワードプランナー(無料。Google広告アカウントが必要)で調べられます。ただし広告出稿していない場合は「100〜1000」のように幅で表示されます。正確な数値より、桁のオーダーが分かれば実務上は十分です。

検索ボリュームが多いキーワードを狙うべきですか?

そうとは限りません。検索数が多いキーワードは競合も強く、また情報収集段階の検索が多いため成約に結びつきにくい傾向があります。地域名を含む複合キーワードは検索数が少ない代わりに、依頼先を探している人が検索するため成約率が高くなります。

キーワードのカニバリゼーションとは何ですか?

同じキーワードを狙うページが自サイト内に複数存在し、互いに評価を分散させてしまう状態です。Search Consoleで同一クエリに対して複数URLが表示されている場合は、統合するか片方の狙いをずらす必要があります。

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