格安SEO対策は危険か?月額1万円以下を見極める5つの基準
最初にお断りしておきます。 筆者は月額5,000円という、まさに「格安SEO」に分類される価格帯のサービスを2010年から運営しています。 ポジショントークになりうる立場です。そのうえで、 この業界で実際に何が起きているかを、自社に不利な話も含めて書きます。 判断は読者ご自身でしてください。
「格安SEOは危険」という記事はよく見かけます。しかしその多くは、 高額サービスを提供する会社が書いたものです。逆に「格安でも大丈夫」という記事は、 格安サービスの会社が書いています。どちらも立場がある。
実際のところ、危険なのは価格そのものではなく、安さの理由を説明できないことです。 安さには必ず構造的な理由があり、その理由が健全か否かで判断できます。
安さには4つのパターンがある
月額1万円以下のSEOサービスが成立する理由は、次の4つのいずれかです。 1と2は健全、3と4は危険です。
| パターン | 仕組み | 判定 |
|---|---|---|
| 1. 対象を絞っている | 地域キーワードのみに限定し、施策を標準化して工数を圧縮 | 健全 |
| 2. 営業コストが乗っていない | 広告塔・訪問営業を持たないため上乗せがない | 健全 |
| 3. 何もしていない | 契約だけして実作業がほぼない。順位が上がれば自社の手柄にする | 危険 |
| 4. スパム施策で回している | 購入リンク・自演リンクを機械的に設置 | 極めて危険 |
パターン3が見抜きにくい理由
地域名を含む複合キーワードは、そもそも競合が弱いことがあります。 サイトを放置していても自然に上がるケースが実際に存在します。
何もしていない業者は、この「自然に上がった分」を成果として報告できてしまう。 月5,000円なら「まあ上がったし」と見過ごされる金額でもあります。 これを見抜くには、施策内容の報告を求めるしかありません。
見極める5つの基準
基準1:安さの理由を説明できるか
「なぜこの価格で提供できるのですか」と聞いてください。 答えが「企業努力です」「効率化しています」のような抽象論なら、赤信号です。
健全なサービスは具体的に答えられます。「対象キーワードを地域複合語に限定しているから」 「営業組織を持っていないから」「施策を標準化しているから」—— 構造として説明できるかどうかが分岐点です。
基準2:対象キーワードに制限があるか
これは逆説的ですが、「どんなキーワードでもOK」と言う格安サービスのほうが危険です。
「SEO」「保険」「クレジットカード」のような全国規模の単一キーワードは、 上位を大手メディアが数百本の記事資産とドメイン評価で押さえています。 月額数千円の枠組みで責任を持って受けられる範囲を明らかに超えています。
対象を明示的に制限しているサービスのほうが、自分の限界を理解していると考えてよいでしょう。 キーワードの競合度についてはこちらで解説しています。
基準3:会社が実在するか
これは基本ですが、実際に引っかかる事業者が多い項目です。3つ確認してください。
- 固定電話番号があるか——携帯・050のみの場合、記載の所在地と実態が一致しないことがあります。オフィスがあれば固定電話を引かない理由はありません
- 住所をGoogleマップで検索する——「本当にここに会社があるのか」と思える場所が出てくることは珍しくありません
- 「会社名」「代表者名」で検索する——何も出てこないこと自体が判断材料になります
基準4:外部施策の中身を説明できるか
「被リンクを50本設置します」のように本数で提案してくる場合は要注意です。 本数で数えられるリンクは、たいてい自社で用意したサイト群からの発リンクです。
健全なサービスは「どこから、どういう理由でリンクや言及が発生するのか」を説明できます。 業界団体への登録、取引先からの紹介、地域メディアへの掲載—— これらは本数を約束できない代わりに、評価を失うリスクがありません。
基準5:成果が出なかった場合が決まっているか
月額固定型で、上位表示できなかった場合の規定がなければ、 費用と期間を一方的に失うリスクを負うことになります。
月5,000円でも12ヶ月で6万円です。返金保証があるか、 あるなら「何位を、どの計測条件で、いつまでに」達成できなかった場合かが 文書化されているかを確認してください。 返金保証の条件の読み方はこちらで解説しています。
安さの理由は「対象キーワードの限定」と「営業コストゼロ」。全国規模の単一キーワードは対象外。
固定電話・本社所在地・代表者名を公開。外部施策は本数で約束しません。
上がらなければSEO対策料金を利子付きで全額返金します。
最も危険なのは「スパム施策」
4つのパターンのうち、実害が最も大きいのはパターン4です。 順位が上がらないだけなら費用の損失で済みますが、 スパム施策は「元より悪い状態」を作ります。
Googleのスパムポリシーに反する代表的な手法
- リンクの売買(金銭・物品・サービスの対価としてのリンク設置)
- 自作の低品質サイト群からの発リンク(自演リンク)
- 相互リンク集だけを目的にした大量の相互リンク
- コメント欄・掲示板への機械的なリンク投稿
- 隠しテキスト・隠しリンク
- 他サイトの文章を自動生成でリライトした量産記事
解約後に問題が表面化します。 購入リンクで順位を上げている場合、解約するとリンクが外され順位は下がります。 それだけでなく、過去に不自然なリンクを受けた履歴はサイトに残ります。
別の会社に切り替えても、まずリンクの否認作業から始めなければならず、 回復に半年から1年かかることがあります。 2026年に有効な外部施策についてはこちら。
契約前に聞くべき一言
「外部施策は具体的に何をしますか。リンクを購入しますか」
この質問に明確に答えられない、あるいは「企業秘密です」と濁す場合は、 その一点だけで見送る理由になります。 施策の中身を説明できないサービスに、サイトの評価を預けるべきではありません。
「会社が消える」という現実的なリスク
当社は2010年から16年、同じ価格帯でサービスを続けています。 その間、類似のサービスが数多く登場し、そして消えていきました。
格安SEOで実際に多いトラブルは、施策の質より事業の継続性です。
- 年間一括で支払った直後に連絡が取れなくなる
- 担当者が退職し、以降の報告が止まる
- サービス自体が終了し、施策が放置される
確認方法:「サービス開始はいつからですか」と聞いてください。 そのうえで、Web上の情報(プレスリリース、掲載記事、旧ドメインの記録)で裏が取れるかを見ます。 年数そのものより、年数を検証できるかが重要です。 なお、年間一括払いは割安になる代わりに、この継続性リスクを丸ごと負います。 不安がある場合は月額払いを選ぶほうが安全です。
格安SEOに向かないケース
自社サービスの話になりますが、低価格帯のSEOが向かない事業は明確にあります。 以下に当てはまる場合、月額数千円のサービスを選ぶべきではありません。
| 状況 | 理由 | 推奨 |
|---|---|---|
| 全国展開・ECサイト | 競合が強く、継続的な記事制作が不可欠 | コンテンツSEO(月30万円〜) |
| 数万ページの大規模サイト | 技術的な構造問題の解決が主課題 | テクニカルSEO監査 |
| サイト自体が存在しない | 対策する対象がない | まずサイト制作 |
| 3ヶ月以内に結果が必要 | SEOは効果発現まで時間を要する | リスティング広告 |
| 商圏が全国・キーワードが単一語 | 大手メディアが上位を占有 | 低価格帯では対応不可 |
逆に言えば、商圏が市区町村レベルで、地域名を含むキーワードで見つけてもらえれば十分な事業—— 歯科医院、飲食店、解体工事、税理士、修理業、スクールなど——であれば、 低価格帯のサービスは合理的な選択になります。 高額なコンサルティングを契約しても、やることは大きく変わりません。
当社も月額5,000円の格安SEO会社です。 この記事の基準を自社に当てはめた回答を、 格安SEO対策のサービスページで公開しています。 料金の内訳、対象外になる案件、返金の条件まで書いてあるので、 判断材料としてお使いください。
月額1万円以下の格安SEOの実態|実在8サービスの料金調査
「格安SEOは危険」という記事は多いのですが、 実際に月額いくらのサービスが、どれだけ存在するのかを数えたものはほとんどありません。 そこで2026年8月に、実在するSEOサービス8社の公開料金ページを調査し、価格をそのまま並べました。 当社も比較対象の1社として含めています。
| サービス | 公開料金 | 価格帯 | 公開ページの記載 |
|---|---|---|---|
| ワンコインSEO (当社) |
月額5,000円(1KW) 10,000円(2KW)/15,000円(3KW) |
〜5,000円 | 税抜。内訳はSEO対策料金3,000円+事務料金2,000円。受付上限は3キーワード |
| A社 (低価格帯) |
月額2,400円〜 | 〜5,000円 | 低価格帯。作業範囲の詳細は要確認 |
| B社 | 月額6,980円 | 5,001〜10,000円 | 3ヶ月・6ヶ月プラン。被リンク10本+SEOツール、初期費用0円 |
| C社 | 月額9,800円〜 | 5,001〜10,000円 | 不動産・採用に特化 |
| D社 | 成果報酬型 (月1万円台〜) |
成果報酬型 | 成果報酬型の例 |
| E社 | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 完全定額制と記載。金額は非公開 |
| F社 | 要問い合わせ | 要問い合わせ | リーズナブルプランと記載。金額は非公開 |
| G社 | 月額150,000円〜 | 10万円超 | 高価格帯 |
調査日:2026年8月26日。各社が公開している料金ページの記載に基づきます(n=8サービス)。 価格は調査時点のものです。最新の料金は各社の公式サイトでご確認ください。 E社・F社は金額が公開されていないため「要問い合わせ」としています。 順位に関するデータ(上位表示率・到達までの期間)は本調査の対象外です。
「月額1万円以下」は例外ではなく、相場の下限として実在する
8サービスを価格帯ごとに数えると、次の分布になります。
| 価格帯 | 該当数 | 構成比 | 該当サービス |
|---|---|---|---|
| 〜5,000円 | 2 | 25.0% | ワンコインSEO、A社 |
| 5,001〜10,000円 | 2 | 25.0% | B社、C社 |
| 成果報酬型 | 1 | 12.5% | D社 |
| 要問い合わせ | 2 | 25.0% | E社、F社 |
| 10万円超 | 1 | 12.5% | G社 |
8サービス中4サービスが月額1万円以下(50.0%)、そのうち 5,000円以下は2サービス(25.0%)でした。 金額を公開している6サービスに限れば、4/6が1万円以下という比率になります。 「1万円以下」は特殊な例外ではなく、公開料金の分布の下限として普通に存在している価格帯です。
もうひとつ注目してほしいのが、「要問い合わせ」が2サービス(25.0%)あることです。 金額が公開されていないと、そもそも比較の土俵に乗りません。 格安かどうかを判断する以前に、見積もりを取らないと価格帯すら分からないサービスが4社に1社あるというのが実態です。
業界の相場情報と突き合わせる
自社調査だけでは偏るため、同時期に公開されている相場まとめも並べます。
| 区分 | 月額の相場 | 出典 |
|---|---|---|
| 格安SEOの相場 | 5,000〜30,000円程度 | 相場まとめサイトA(2026年5月) |
| 一般的なSEO会社の相場 | 50,000〜500,000円 | 相場まとめサイトB(2026年3月) |
| SEOコンサルティングの相場 | 100,000〜500,000円 | 相場まとめサイトC(2026年5月) |
格安SEOの相場は月額5,000〜30,000円程度とされています。 当社の月額5,000円はこのレンジの下限にあたり、 一般的なSEO会社の相場(月額5万〜50万円)と比べると1/10以下の価格帯です。 この差は割引ではなく、冒頭で挙げた4つのパターンのどれかで説明がつくはずのものです。
この調査から言えることは、ひとつだけです。
月額1万円以下という価格そのものは、相場の下限として実在します。異常値ではありません。
ただし同じ「1万円以下」でも、対象キーワードの範囲・被リンクの調達方法・成果が出なかった場合の規定は、
サービスごとにまったく違います。
たとえば公開ページに「被リンク◯本」と本数が書かれている場合、それ自体が直ちに問題という意味ではなく、
そのリンクがどこから、どういう理由で発生するのかを契約前に確認してくださいという意味です
(基準4)。
価格の数字だけを横に並べても、比較したことにはなりません。
価格帯別に、何ができて何ができないか
「格安かどうか」は金額だけでは決まりません。 その金額で何をするのかが決まっていて、それが妥当かどうかが問題です。 価格帯ごとに現実的な作業範囲を整理します。
| 月額 | できること | できないこと | 向く対象 |
|---|---|---|---|
| 〜5,000円 | 既存ページの最適化、内部リンク整理、順位計測 | 記事制作、システム改修、全国区キーワード | 地域名を含む複合キーワード1〜3語 |
| 1〜3万円 | 上記+月1〜2本の記事、簡単な改修指示 | 大規模サイトの構造改善、専任担当 | 地域+中規模キーワード |
| 10〜30万円 | 戦略設計、月次の分析と提案、記事4〜8本 | 大規模なシステム開発 | 県単位・業界単位のキーワード |
| 30万円〜 | 専任チーム、大規模サイトの改善、開発を含む | — | 全国区の主要キーワード |
この表で確認してほしいのは「金額」ではなく「対象」の列です。 月額5,000円で全国区のキーワードを狙うと言われたら、それは安いのではなく、成立しない約束です。 逆に、地域名を含む複合キーワード1語に月額30万円は、明らかに過剰です。 価格と対象が釣り合っているかを見てください。
格安SEOは、実際に何をしているのか
月額5,000円で何ができるのか、当社を例に具体的に書きます。 他社を検討する際の比較材料としてお使いください。
| 分類 | 具体的な作業 | 頻度 |
|---|---|---|
| 初期 | 対策キーワードの妥当性確認、競合の調査、現状の順位測定 | 契約時 |
| 内部施策 | タイトル・見出しの設計、内部リンク構造の最適化、インデックス障害の除去 | 開始時+随時 |
| 外部施策 | サイテーションの整備、関連性のある自然な言及の獲得 | 継続 |
| 計測 | 対策キーワードの順位測定とレポート送付 | 毎週 |
| サポート | 電話・メールでの相談対応、キーワード変更の受付 | 随時 |
ここに「記事の大量制作」は入っていません。 記事1本の制作には3〜10万円かかります。月額5,000円に含められるはずがありません。 含まれると言われた場合は、誰がどうやって書くのかを必ず確認してください。
実際に起きているトラブルと、回避の仕方
格安SEOで報告されている典型的なトラブルを挙げます。 いずれも契約前の確認で回避できるものです。
1. 契約後、担当者と連絡が取れなくなる
連絡先が携帯電話や050番号のみ、所在地が実在しない、という会社で起きています。
回避策:固定電話番号と登記上の所在地を確認し、地図で実在を確かめる。法人番号公表サイトで法人格を確認する。
2. 解約したら順位が急落した
設置されていた被リンクが一斉に外されたケースです。契約中は上がっていたように見えます。
回避策:被リンクの調達方法を契約前に確認する。「独自ネットワーク」「企業秘密」という回答は危険信号です。
3. 報告書の順位と、実際の順位が違う
自社計測ツールの数値のみを報告し、検証できないケースです。
回避策:報告された順位を自分でシークレットウィンドウで検索して確認する。月に一度でも構いません。
4. 対策キーワードが勝手に変わっていた
上がりやすい語に差し替えられ、「1位を達成しました」と報告されるケースです。
回避策:対策キーワードを契約書に明記させる。変更する場合は書面での合意を必須にする。
5. 手動による対策を受けた
購入リンクを使われた結果、Googleからペナルティを受けたケースです。
契約が終わってもリンクは残り、責任は自社に残ります。
回避策:Search Consoleを自社のアカウントで開設し、「手動による対策」を月1回確認する。
詳しい対処は順位が下がったときの切り分け手順へ。
5つのトラブルすべてに共通する予防策があります。 Search Console を自社のGoogleアカウントで開設し、SEO会社には閲覧権限を渡す形にすること。 これだけで、報告の検証・ペナルティの検知・解約時のデータ保全がすべて自分でできます。 所要10分です。設定手順はこちら。
他社SEOの契約トラブル実例|相談66件の内訳
ここまでは一般に報告されている類型です。ここからは当社に実際に寄せられた一次データを出します。 当社への相談のうち「他社のSEOで失敗した」という内容を含むもの66件を、 相談記録のテキストから分類したものです。
| トラブルの内容 | 件数 | 構成比 | 典型的な状況 |
|---|---|---|---|
| 効果が出ないのに契約更新を迫られた | 19 | 28.8% | 自動更新条項に気づかないまま次期が始まっていた |
| 成果報酬の条件が曖昧だった | 14 | 21.2% | 「成果」の定義をめぐって支払いで紛争になった |
| ブラックハット施策で順位が消えた | 14 | 21.2% | 被リンクの購入など、スパムポリシーに反する施策 |
| 解約時にデータを返してもらえない | 11 | 16.7% | 成果物・アカウントの帰属が決まっていなかった |
| 連絡が取れなくなった | 8 | 12.1% | 担当者の退職、あるいは会社そのものの消滅 |
出典:当社への相談記録のテキスト分析による分類。集計期間 2023年1月16日〜2025年8月31日、n=66件。 1件の相談に複数のトラブルが含まれる場合があるため、内容には重複があります。 個社・個人が特定される情報は含みません。順位に関するデータ(上位表示率・到達までの期間)は含みません。
1位:効果が出ないのに契約更新を迫られた(19件・28.8%)
最も多いのがこれです。施策の質ではなく、契約条項の問題で相談に至っています。 典型は「12ヶ月契約・自動更新・解約は3ヶ月前までに書面で通知」といった組み合わせで、 効果を見極めた頃には次の期間が始まっている、という構造です。
回避策:契約書の4点を、申し込み前に読んでください。 ①契約期間 ②自動更新の有無 ③解約予告の期限と方法 ④中途解約時の精算。 口頭で「いつでもやめられます」と言われた場合ほど、その一文が書面にあるかを確認してください。
2位(同率):成果報酬の条件が曖昧だった(14件・21.2%)
成果報酬型は「成果が出なければ払わなくていい」と理解されがちですが、 実際の紛争は「何をもって成果とするか」の解釈で起きています。 この類型は件数も多く、内容も入り組んでいるため、 次のセクションで7類型に分けて詳述します。
2位(同率):ブラックハット施策で順位が消えた(14件・21.2%)
被リンクの購入や自演リンクなど、Googleのスパムポリシーに反する施策が使われていたケースです。 解約後に表面化するのが特徴で、相談時にはすでに順位が落ちた後、というパターンが大半です。 対処は「最も危険なのはスパム施策」と 順位が下がったときの切り分け手順を参照してください。
4位:解約時にデータを返してもらえない(11件・16.7%)
見落とされやすいのがこれです。SEO会社の名義で取得されていた場合、 解約と同時に次のものが手元から消えます。
- Search Console・Google アナリティクス(GA4)のアカウントと過去データ
- 順位計測のログ、月次レポートの原本
- 制作された記事・ページのデータ、画像の元ファイル
- 場合によってはドメインとサーバーそのもの
回避策:ドメイン・サーバー・Search Console・GA4は、すべて自社名義で取得し、 SEO会社には閲覧または編集の権限を渡す形にしてください。 加えて、契約書に成果物(記事・画像・データ)の帰属を1行書いておけば、この11件は起きません。 Search Consoleの設定手順はこちら。
5位:連絡が取れなくなった(8件・12.1%)
担当者の退職、あるいは会社自体の消滅です。 「会社が消える」という現実的なリスクで書いたとおり、 格安SEOでは施策の質より事業の継続性がリスクになります。 年間一括払いは、このリスクを丸ごと前払いで負うことになる点に注意してください。
66件のうち、1位・4位・5位の合計38件(57.6%)は、施策の中身ではなく契約と権限の設計の問題です。 さらに2位を加えた52件(78.8%)は、契約書を一度読めば少なくとも予見できた性質のものでした。 SEOの品質を見極めるのは難しくても、 契約期間・自動更新・解約予告・成果の定義・データの帰属の5点を確認するだけなら、 専門知識は要りません。ここが最も費用対効果の高い自衛策です。
成果報酬型SEOの契約トラブルTOP7
成果報酬型は「上がらなければ0円」と説明されるため、格安SEOを検討する方が並行して比較しがちな形態です。 実際、前セクションでも成果報酬の条件の曖昧さが21.2%(14件)を占めていました。
当社に寄せられた相談と、法的な対応に至った記録のうち、 成果報酬型に関するトラブル13件を内容ごとに整理したのが次の表です。
| 順位 | トラブルの内容 | 件数 | 構成比 |
|---|---|---|---|
| 1 | 成果の定義(順位・流入・売上)の曖昧さ | 2 | 15.4% |
| 2 | 成果達成後の解約・支払い拒否 | 2 | 15.4% |
| 3 | 短期間での成果を謳う誇大広告 | 2 | 15.4% |
| 4 | 成果の水増し報告 | 2 | 15.4% |
| 5 | 契約期間中の条件変更 | 2 | 15.4% |
| 6 | 成果報酬の二重取り(広告と併用) | 2 | 15.4% |
| 7 | その他 | 1 | 7.7% |
出典:当社の顧客相談記録および法的対応記録。集計期間 2023年2月1日〜2025年8月15日、n=13件。 件数が少ないため構成比は参考値としてお読みください。 個社・個人が特定される情報は含みません。順位に関するデータ(上位表示率・到達までの期間)は含みません。
件数はいずれも同水準で、特定の類型に偏っていないこと自体が特徴です。 施策の巧拙ではなく、契約書に書かれていない項目が、そのまま紛争の種になっていることが分かります。 以下、7類型それぞれの中身と、契約前に潰す方法です。
1. 成果の定義(順位・流入・売上)の曖昧さ
「成果が出たら課金」の「成果」が定義されていないケースです。 順位なのか、検索からの流入数なのか、問い合わせ件数なのか。 順位だとしても、どの検索エンジンで、PCかスマホか、どの地域からの検索か、どのツールで、いつ測るのか。 ここが決まっていないと、請求書が届いた時点で初めて認識の違いが表面化します。
2. 成果達成後の解約・支払い拒否
発注側・受注側どちらの側でも起こります。 成果が計上された途端に解約を申し出る、逆に達成の事実を認めず支払いを拒む、という形です。 成果達成後に契約がどうなるのか(自動的に継続するのか、都度合意なのか)を 先に決めていないと、必ず揉めます。
3. 短期間での成果を謳う誇大広告
「1ヶ月で上位」「最短で成果」といった謳い文句です。 成果報酬型は初期費用が低いぶん、受注側が短期で結果を出す動機を強く持ちます。 その圧力が、後述のスパム施策に流れることがあります。 期間を断言する提案を受けたら、その根拠を具体的に確認してください。
4. 成果の水増し報告
自社ツールの数値だけで報告され、第三者が検証できないケースです。 測定地域や検索条件を有利に設定する、達成日を都合よく丸める、といった形で発生します。 報告された数値を、自分でシークレットウィンドウで確認する—— 月1回でも構いません。これだけで相当数は防げます。
5. 契約期間中の条件変更
単価、対象キーワード、成果の判定基準が期中に変わるケースです。 「Googleのアップデートがあったので基準を変えます」といった説明が添えられることもあります。 変更は書面での相互合意を必須とする一文があるかを確認してください。
6. 成果報酬の二重取り(広告と併用)
リスティング広告を並行して運用している場合に起きます。 広告経由の流入・問い合わせが、SEOの成果として計上されるという形です。 広告費を払ったうえで、同じ流入に対して成果報酬も払っていることになります。 併用する場合は、計測の切り分け方法を契約書に書いてください。 費用対効果の計算方法はこちらで整理しています。
7. その他
上記に分類できなかったものが1件(7.7%)です。 件数としては少数ですが、契約書に書かれていない事柄はすべてこの「その他」になりうると考えてください。
成果報酬型の契約書で、最低限つぶしておく7項目
| 項目 | 契約書に明記する内容 | 対応するトラブル |
|---|---|---|
| 成果の定義 | 対象キーワード/検索エンジン/デバイス/測定地域/計測ツール/測定日 | 1・4 |
| 測定と検証の方法 | 誰がいつ測るか。発注側が同じ条件で検証できるか | 4 |
| 課金の起点と上限 | 日割りか月単位か。月額・年額の上限があるか | 2 |
| 達成後の契約 | 成果達成後に継続するのか、解約の申し出はいつまでか | 2 |
| 条件変更の手続き | 期中の変更は書面での相互合意を必須とする | 5 |
| 広告との切り分け | 広告経由の流入・問い合わせを成果に含めない旨 | 6 |
| 施策内容とデータの帰属 | 外部施策の手法、成果物・アカウントの所有者 | 3・7 |
成果報酬型そのものを否定しているわけではありません。 成果の定義が計測条件まで文書化されていて、発注側が同じ条件で検証できるなら、 合理的な選択肢です。問題は、その文書化がされていない契約が実在することです。
当社は月額固定型を採っています。理由は、成果の定義をめぐる紛争を構造的に持ち込まないためと、 短期で結果を出す圧力が施策を歪めないようにするためです。 そのかわり、上がらなかった場合はSEO対策料金を返金する形で責任を取ります。 成果報酬型と月額固定型の比較はこちら、 返金保証の条件の読み方はこちら。
契約前チェックリスト
ひとつでも「いいえ」があれば、契約前に確認してください
- 安さの理由を、構造として具体的に説明できる
- 対象キーワードの範囲が明示されている(何でもOKではない)
- 固定電話番号が公開されている
- 所在地をGoogleマップで確認できる
- 代表者名が公開され、検索で裏が取れる
- 外部施策の中身を説明でき、リンク購入をしていないと明言できる
- 実績にキーワード・測定日・計測ツールのキャプチャが揃っている
- 成果が出なかった場合の取り扱いが文書化されている
- キーワード変更の可否と費用が明確
- 契約期間・自動更新・解約予告期限が明記されている
- ドメイン・サーバー・Search Console・GA4が自社名義になっている
- 成果物(記事・画像・データ)の帰属が契約書に書かれている
- 成果報酬型の場合、成果の定義が計測条件まで文書化されている
よくある質問
結局、格安SEOは避けたほうがいいのでしょうか?
価格帯で判断するべきではありません。上のチェックリストで判断してください。月額50万円でもスパム施策を行う会社はありますし、月額5,000円でも正攻法で運用している会社はあります。金額は品質の保証になりません。
すでに格安SEOを契約中ですが、確認する方法はありますか?
Google Search Console を自社で開設し、以下を確認してください(無料です)。
- 「リンク」レポート → 見覚えのないサイトからの大量のリンクがないか
- 「手動による対策」→ 通知が来ていないか
- 「ページ」レポート → インデックス状況に異常がないか
不自然なリンクが大量にある場合は、施策内容を業者に確認してください。外部施策の判断基準はこちら。
安い会社に乗り換えたら順位が下がりました。なぜですか?
前の会社が購入リンクで順位を維持していた場合、解約によりリンクが外れて下がることがあります。この場合、下がったのは新しい会社のせいではありません。まずSearch Consoleで解約前後のリンク数の変化を確認してください。
ワンコインSEOは、この記事の基準を満たしていますか?
ご自身でご確認いただくのが一番です。当社の情報は次のとおりです。
- 固定電話:03-4405-8483
- 本社:東京都中央区日本橋浜町2丁目33-5 マリオン浜町ビル2階
- 代表者:山岸 裕(株式会社IA・2009年7月設立)
- 対象:地域名を含む複合キーワードのみ(単一語は対象外)
- 外部施策:リンクの購入は行いません
- 返金保証:あり(条件は利用規約に明記)
実績は測定日つきのキャプチャで公開しています。上がり幅の小さい事例も掲載しています。
格安SEO対策は危険ですか?
価格そのものが危険なのではありません。危険なのは、対象キーワードを絞らずに低価格を提示している場合、施策の中身が説明されない場合、そして会社の実在性が確認できない場合です。安さの理由が構造的に説明できるサービスであれば、低価格でも問題ありません。
安いSEO会社はスパムをやっているのですか?
すべてがそうではありません。ただし、低価格で短期間の順位上昇を約束する場合、リンクの購入や自演リンクなどGoogleのスパムポリシーに反する手法が使われている可能性があります。契約前に「どのような外部施策を行うか」を具体的に確認してください。
格安SEOで契約してはいけないのはどんな場合ですか?
固定電話番号がなく携帯や050番号のみの場合、登記上の所在地が実在しない場合、被リンクを本数で提案してくる場合、短期間での1位を断言する場合、成果が出なかった場合の規定がない場合です。ひとつでも該当するなら契約前に確認が必要です。
格安SEOの相場は月額いくらですか?
2026年8月26日に実在するSEOサービス8社の公開料金を調べたところ、8サービス中4サービスが月額1万円以下(50.0%)、うち5,000円以下は2サービス(25.0%)でした(金額非公開は2サービス)。業界の相場まとめでは格安SEOは月額5,000〜30,000円程度(相場まとめサイトA・2026年5月)、一般的なSEO会社は月額5万〜50万円(相場まとめサイトB・2026年3月)とされています。詳しくは実在8サービスの料金調査をご覧ください。
他社のSEOで多いトラブルは何ですか?
当社に寄せられた「他社で失敗した」という相談66件(2023年1月16日〜2025年8月31日)を分類すると、最多は「効果が出ないのに契約更新を迫られた」28.8%(19件)でした。以下、成果報酬の条件が曖昧21.2%、ブラックハット施策で順位が消えた21.2%、解約時にデータを返してもらえない16.7%、連絡が取れなくなった12.1%と続きます。施策の質より契約条項と権限設計の問題が多いのが特徴です。内訳はこちら。
成果報酬型なら上がらなければ0円なので、損はしませんか?
「成果」の定義が契約書にない場合は損をしえます。当社の相談・法的対応記録13件(2023年2月1日〜2025年8月15日)では、成果の定義の曖昧さ、成果達成後の解約・支払い拒否、誇大広告、水増し報告、期中の条件変更、広告との二重取りが各15.4%(2件ずつ)で並びました。対象キーワード・検索エンジン・デバイス・測定地域・計測ツール・測定日まで書面にあるかを確認してください。7類型と対策はこちら。
格安SEOでも全国キーワードで上位表示できますか?
現実的ではありません。「SEO」「保険」のような全国規模の単一キーワードは、上位を大手メディアが数百本の記事資産とドメイン評価で押さえています。低価格帯のサービスがこれらを「できる」と提案してきた場合、その根拠を確認してください。
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