SEO業者の見極め方|100社の提案書を分析して分かったこと

SEO業者を見極める記事の多くは「実績を確認しましょう」で終わっています。 しかし実際に判断を迫られる場面で手元にあるのは、相手から渡された1枚の提案書です。 見極めとは結局のところ、その提案書のどこを読むかという作業に集約されます。

当社には「他社から提案を受けたが妥当か分からない」というご相談が定期的に届きます。 その際に持ち込まれた他社の提案書100社分(2023年1月1日〜2025年8月31日・匿名化済み)を分類したのが、このページです。

結論から書きます。最も多かったのは 「成果保証を謳っている」36社・35.3%。 次いで「具体的な施策の記載がない」31社・30.4%「契約期間・解約条件の記載がない」18社・17.5%「被リンク購入を示唆」17社・16.7%でした。 提案書を読むときに見るべき箇所は、事実上この4つに集中しています。

後半では、他社のSEOで実際に失敗した相談66件の内訳を並べます。 提案書で読み飛ばした箇所が、そのままトラブルの発生箇所になっているというのが、 2つのデータを重ねたときに見えたことです。

このページの立場:筆者はSEO対策サービス(月額5,000円)の提供者です。中立な第三者ではありません。 競合他社の提案書を分析している以上、自社に有利な書き方に傾く可能性があります。 そのため集計の定義・分母・データの限界を先に明示し、 当社のサービスが向かないケースも本文中に明記しています。 また、本ページには上位表示率や上位表示までの期間に関するデータは一切含めていません(理由はこのデータで言えないことで述べます)。

他社提案書100社の分析結果

まず集計条件です。これは市場調査ではありません。 当社に相談された方が持ち込んだ提案書に限った集計であり、母集団に偏りがあります。

調査条件

  • データソース:相談時に持ち込まれた他社提案書の分析(匿名化・100社)
  • 集計期間:2023年1月1日〜2025年8月31日(約2年8ヶ月)
  • サンプル数:99件
  • 分類方法:提案書の記載内容を読み、該当する特徴にフラグを立てる形式。1社の提案書が複数の特徴に該当する場合があります
  • 会社名・担当者名・価格の具体額など、提出元が特定できる情報は集計から除外しています
他社提案書の特徴分析(100社)
順位 提案書に見られた特徴 社数 割合 典型的な記載
1 成果保証を謳っている 36社 35.3% 「必ず1位」等
2 具体的な施策の記載がない 31社 30.4% 抽象的な表現のみ
3 契約期間・解約条件の記載がない 18社 17.5% 長期縛りの懸念
4 被リンク購入を示唆 17社 16.7% 「強力な被リンク」等

※出典:ワンコインSEO 相談時に持ち込まれた他社提案書の分析(匿名化・100社/集計対象99件・2023年1月1日〜2025年8月31日)。 1社の提案書が複数の特徴に該当する場合があるため、社数の合計は集計対象数と一致せず、割合の合計も100%になりません。 「典型的な記載」は複数の提案書に共通して見られた表現を要約したもので、特定の1社の文言ではありません。

この表から読み取れることは3つあります。 1つ目、上位2項目(成果保証・具体性の欠如)だけで、提案書の見どころのほとんどを説明できます。 どちらも専門知識なしに、その場で確認できる項目です。 2つ目、4項目はいずれも「書かれている内容」ではなく「書かれ方」の問題です。 技術的な妥当性を素人が評価するのは困難ですが、この4点は読めば分かります。 3つ目、3位が「契約期間・解約条件の記載がない」であること。 提案書は営業資料なので条件面は省かれがちですが、後半のトラブルデータでは、ここが最も紛争になっています。

以下、1項目ずつ、なぜそれが問題なのかその場でどう確認すればよいかを分解します。

1位:成果保証を謳っている(36社・35.3%)

最も多かったのが成果保証です。「必ず1位にします」「上位表示を保証します」といった表現が、 100社中36社・35.3%の提案書に含まれていました。提案書の3枚に1枚以上です。

なぜSEOで順位の保証が成立しないのか

理由は精神論ではなく、構造の問題です。検索順位は次の3つの要素で決まります。

検索順位を決める要素と、SEO会社が制御できる範囲
要素 SEO会社が制御できるか 説明
自社サイトの状態 できる タイトル、見出し、内部リンク、表示速度、コンテンツの内容など
競合サイトの動き できない 競合が同じキーワードに投資すれば相対順位は下がる
Googleのアルゴリズム できない コアアップデートで評価基準そのものが変わる

3つのうち制御できるのは1つだけです。 残り2つを制御できない以上、順位という「相対的な結果」を約束することはできません。 業者の技術力の問題ではなく、SEOという施策の性質です。 Googleも検索セントラルで、順位を保証すると約束する業者には注意するよう明記しています。

「保証」という言葉自体が悪いわけではありません。 問題は保証の定義が書かれていないことです。 「1位」とは何位までの何を指すのか、どの検索環境(ログイン状態・地域・端末)で測定するのか、 いつ測定するのか、達成できなかったときに何が起きるのか。 この4点が書面にないまま「保証」と書かれている場合、 その保証は営業上の表現であって契約上の義務ではない可能性が高いと考えてください。

その場で確認する質問

4つ目は特に重要です。保証を成立させる最も簡単な方法は、上がることが分かっているキーワードを対象にすることです。 自社の会社名など競合がいない語であれば、施策の有無にかかわらず上位に出ます。 キーワード選定の主導権が誰にあるかは、保証の実質を左右します。

当社が「返金」と書き、「保証」と書かない理由

当社は順位が上がらなかった場合に利子を付けて全額返金するという条件を設けていますが、 これを「上位表示保証」とは呼びません。返金は結果を約束するものではなく、 結果が出なかったときの費用の取り扱いを事前に決めたものだからです。

見極める側の視点で言えば、確認すべきなのは「上がるか」ではなく「上がらなかったときにどうなるか」です。 前者は誰にも約束できませんが、後者は契約書に書けます。 条件の読み方はSEOの返金保証とは?条件の読み方と注意点で整理しています。

2位:具体的な施策の記載がない(31社・30.4%)

100社中31社・30.4%の提案書には、何をするのかが書かれていませんでした。 正確には、書かれてはいるのですが、読んでも作業が想像できない粒度で書かれています。

「抽象的な表現」とは具体的にどういう記載か

分類の際に「具体的な施策の記載がない」と判定した典型は、次のような書き方です。

抽象的な記載と、具体的な記載の対比
よくある抽象的な記載 具体化されていれば書けるはずの内容
内部対策を実施します 対象ページ数、書き換えるのはtitle/meta description/見出しのどれか、内部リンクを何本どこに追加するか
サイトの最適化を行います 最適化の対象(表示速度/構造化データ/画像/URL構造)と、実施前後で何の数値を見るか
独自のノウハウで対応します 実施する作業の名称。ノウハウが手順の巧拙であっても、作業項目そのものは開示できます
コンテンツを強化します 記事本数、1本あたりの文字数、誰が執筆するか、企画・執筆・入稿のどこまでが範囲か
継続的に運用・改善します 月次の作業時間の目安、レポートの提出頻度と記載項目、改善の判断基準

※左列は、分析対象の複数の提案書に共通して見られた表現を要約したものです。特定の1社の文言ではありません。

右列の内容は、企業秘密ではありません。 どのページのtitleを書き換えるか、内部リンクを何本張るかは、SEOの独自ノウハウというより作業の仕様です。 施策の中身を「企業秘密」として一切開示しない場合、 発注者は作業が行われたかどうかを検証できない契約を結ぶことになります。

ここが最も見落とされます。 抽象的な提案書は、読んだ側に「何かすごいことをやってくれそうだ」という印象を残します。 印象は残るのに検証はできない、という状態が最も危険です。 提案書を読んだあと、「初月に何が行われるか」を自分の言葉で説明できるかを試してください。 説明できない場合、それは理解力の問題ではなく、書かれていないだけです。

実行主体が書かれているか

具体性のもう一つの軸が実行主体です。同じ「内部対策を実施します」でも、 業者がサイトを直接編集するのか、改善指示書だけが届いて自社で実装するのかで、 必要な社内工数はまったく違います。

コンサルティング型は後者が中心で、それ自体は正当なサービス形態です。 問題は提案書に書かれておらず、契約後に「実装はお客様側で」と判明するケースです。 月額の金額だけで比較すると、この差は見えません。 形態ごとの費用と作業範囲の違いはSEO対策の費用相場で整理しています。

その場で確認する質問

どの施策にどれだけの作業が必要かの実感は、 どのSEO施策で変化が出たか|260ページの記録と作業時間に当社の作業時間の記録を出しています。 見積もりの妥当性を判断する材料として使ってください。

3位:契約期間・解約条件の記載がない(18社・17.5%)

100社中18社・17.5%の提案書には、契約期間と解約条件が書かれていませんでした。 提案書は営業資料であり、条件は契約書に書くもの——という整理は理解できます。 しかし後半で見るとおり、実際のトラブルで最も多いのは契約条件をめぐるものです。

書かれていないときに確認すべき3点

契約条件で確認すべき3点と、確認しなかった場合に起きること
確認項目 確認する内容 確認しなかった場合に起きうること
契約期間と自動更新 最低契約期間は何ヶ月か。自動更新条項があるか。更新を拒否する場合の通知期限は満了の何ヶ月前か やめるつもりが次期間に入っていた。通知期限を過ぎて更新が確定した
途中解約の可否と違約金 途中解約できるか。できる場合の違約金は残存期間の何割か、算定式はどうか 解約を申し出たら想定外の金額を請求された
成果物とアカウントの帰属 制作した記事・設定・被リンクは誰のものか。Search Console/GA4/サーバー/ドメインの管理者は誰か 解約時に成果物やデータが引き渡されない。ドメインが業者名義だった

3つ目のドメインの名義は、頻度は高くないものの、起きたときの被害が最も大きい項目です。 業者名義でドメインを取得している場合、契約終了とともにサイト自体を失う可能性があります。 ドメインとサーバーの契約名義は、SEOの契約とは切り離して自社で保有してください。

「長期縛りが悪い」という話ではありません。 SEOは効果の判断に時間を要するため、一定期間の契約には合理性があります。 実際、当社の基本契約期間も1年で、原則として途中解約はできません。 問題は期間の長さではなく、その期間が提案の段階で開示されているかです。 開示されていれば、発注側は期間を前提に予算を組めます。 契約直前に判明する場合、判断の材料が揃わないまま署名することになります。

100社中17社・16.7%の提案書に、被リンクの購入を示唆する記載がありました。 「強力な被リンクを提供します」「自社保有のメディアからリンクを設置します」といった書き方が典型です。

なぜ問題なのか

金銭を対価としたリンクの売買は、Googleのスパムに関するポリシーで明確に禁止されています。 ポリシー違反と判断された場合、リンクが評価されないだけでなく、 サイト全体のランキングに影響する措置を受ける可能性があります。

ただし、発注側にとって実務上より深刻なのは資産の帰属の問題です。 業者が提供するリンクは、多くの場合業者側が保有するサイトからのリンクです。 つまり契約が終われば外されます。

これが「やめられない契約」の作り方です。 リンクが業者の資産である限り、解約はリンクの喪失を意味します。 施策の効果が続く限り契約を続けざるを得ず、 やめた瞬間に施策前より悪い状態になることもあります。 提案書に被リンクの提供が含まれている場合、 「そのリンクは解約後も残りますか」という一問で構造が分かります。

その場で確認する質問

被リンクそのものが不要という意味ではありません。 自然に張られたリンクは今も評価対象です。問題は取得方法です。 詳しくはSEOの被リンクとは?Googleペナルティの対応で整理しています。

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提案書の特徴は、契約後に何になるか|トラブル66件の分類

ここまでは提案書という「契約前」のデータでした。 次に、契約後に実際に何が起きたかを見ます。 当社には「他社のSEOで失敗した」というご相談も届きます。 その相談記録をテキスト分析し、トラブルの種類ごとに分類したのが次の表です。

調査条件

  • データソース:相談記録のテキスト分析(他社失敗事例の分類・件数)
  • 集計期間:2023年1月16日〜2025年8月31日(約2年8ヶ月)
  • サンプル数:66件
  • 分類方法:相談内容のテキストを読み、トラブルの種類に分類。複数のトラブルが同時に起きている相談があるため、重複があります
他社SEOで失敗した相談の分類(66件)
順位 トラブルの内容 件数 割合 背景
1 効果が出ないのに契約更新を迫られた 19件 28.8% 自動更新の罠
2 成果報酬の条件が曖昧だった 14件 21.2% 成果の定義で紛争
2 ブラックハット施策で順位が消えた 14件 21.2% 被リンク購入など
4 解約時にデータを返してもらえない 11件 16.7% 成果物の帰属問題
5 連絡が取れなくなった 8件 12.1% 担当者退職・会社消滅

※出典:ワンコインSEO 相談記録のテキスト分析(2023年1月16日〜2025年8月31日・66件)。 複数のトラブルが同時に起きている相談があるため重複があります。 分類は相談時点で申告された内容にもとづくもので、相手方の事実認識を確認したものではありません。

2つのデータを並べると、対応関係が見えます。 提案書で省略されていた項目が、そのままトラブルの発生箇所になっています。 条件の記載がなかった18社・17.5%に対して更新をめぐるトラブルが19件・28.8%、 被リンク購入を示唆していた17社・16.7%に対してブラックハット施策によるトラブルが14件・21.2%。 ただし2つの集計は別々の相談者を対象とした別々の集計であり、 同一案件を追跡したものではありません。因果関係ではなく、テーマの対応として読んでください。

1位:効果が出ないのに契約更新を迫られた(19件・28.8%)

最多です。背景として集計時に付されたのは「自動更新の罠」という短い言葉ですが、 相談内容としては次の型が繰り返し出てきます。 効果が出ていないので更新しないつもりでいたところ、 更新拒否の通知期限がすでに過ぎており、次の契約期間が開始していたというものです。

自動更新条項そのものは一般的な契約条項で、違法でも不当でもありません。 問題は通知期限を発注側が把握していないことです。 「満了の3ヶ月前までに書面で通知」といった条項は、契約書には書かれていても、 提案書には書かれません。提案書に契約条件がなかった18社・17.5%は、 この状態のまま契約に進んだ可能性があります。

対策は1つで足ります。 契約したその日に、更新拒否の通知期限をカレンダーに登録することです。 「満了の3ヶ月前」であれば、そこからさらに2週間前に社内判断の予定を入れておきます。 これだけで、最多のトラブルの大半は発生しません。 同時に、効果を判断する時期と、そのとき何の数字を見るかも決めておいてください。 判断基準がないと、期限が来ても「もう少し様子を見よう」以外の結論が出ません。

2位:成果報酬の条件が曖昧だった(14件・21.2%)

成果報酬型は「上がらなければ費用が発生しない」という点で合理的に見えます。 しかし紛争になるのは金額ではなく成果の定義です。 相談で争点になっていたのは次のような点です。

成果報酬型を否定しているのではありません。 費用変動を許容できる事業には合う形態です。 ただし成果の定義を書面で確定させないまま契約すると、 後から交渉の余地がなくなるという点は理解しておいてください。 月額固定型との比較は成果報酬型SEOと月額固定型、どちらを選ぶかにまとめています。

2位:ブラックハット施策で順位が消えた(14件・21.2%)

被リンク購入を中心とする、ポリシー違反の施策による順位の消失です。 このケースの厄介な点は、相談の時点で原因の特定が難しいことです。 業者が何をしたかの記録が発注側に残っていないため、 順位が下がった原因が施策なのか、コアアップデートなのか、競合の動きなのかを切り分けられません。

切り分けの手順としては、まずSearch Consoleの「手動による対策」を確認します。 ここに記載があれば原因は明確です。記載がない場合は、 順位変動のタイミングとGoogleのアップデート時期の照合から進めます。 復旧の実務はSEOペナルティの対応で扱っています。

4位:解約時にデータを返してもらえない(11件・16.7%)

成果物の帰属の問題です。制作した記事、設定した構造化データ、 Search ConsoleやGA4に蓄積されたデータ。 これらが業者側のアカウントに置かれたままで、解約時に引き渡されないケースです。

これは契約直後にしか予防できません。 Search Console・GA4・サーバー・ドメイン・CMSの管理権限は、 自社のアカウントで所有し、業者を「招待する」形にしてください。 業者のアカウントに自社を招待してもらう形にすると、解約時に権限ごと失います。 設定に必要な時間は数十分です。契約初月にやってしまうのが最も確実です。 権限の設計はGA4の設定Search Consoleの使い方で解説しています。

5位:連絡が取れなくなった(8件・12.1%)

担当者の退職や会社の消滅により、連絡が取れなくなったケースです。 件数としては最も少ないものの、回復手段が最も限られるトラブルです。

予防できる範囲は限定的ですが、影響を小さくすることはできます。 アカウントの管理権限を自社で保有していること実施された作業の記録が自社側に残っていること。 この2つが揃っていれば、別の会社に引き継いで継続できます。 逆にどちらも欠けていると、サイトの状態を把握するところからやり直しになります。

提案書を受け取ったら読む順番|9項目のチェックリスト

ここまでの2つのデータを、実際の作業手順に落とします。 提案書は最初のページから読まないでください。 金額と実績が並ぶ前半は印象を左右しますが、判断材料は後半と巻末に集中しています。 次の順に確認してください。

提案書チェックリスト(確認順)
確認項目 書かれていない場合にすること 関連データ
1 契約期間・自動更新の有無・更新拒否の通知期限 書面での提示を依頼する。口頭回答は不可 記載なし18社・17.5%/トラブル19件・28.8%
2 途中解約の可否と違約金の算定方法 算定式を数値で確認する 記載なし18社・17.5%
3 初月・2〜3ヶ月目の具体的な作業項目 項目名で3つ以上挙げてもらう 記載なし31社・30.4%
4 実行主体(業者が実装するか、自社が実装するか) CMSの編集権限を渡すかどうかで確認する 記載なし31社・30.4%
5 対策キーワードと、その選定理由 選定の主導権がどちらにあるかを確認する 成果保証36社・35.3%と関連
6 「保証」の定義(判定順位・測定環境・測定時点・未達時の扱い) 契約書の該当条項を示してもらう 成果保証36社・35.3%/トラブル14件・21.2%
7 被リンクを扱う場合、その取得方法と解約後の存続 リンク元の一覧提示を依頼する 購入示唆17社・16.7%/トラブル14件・21.2%
8 成果物の帰属と、解約時の引き渡し範囲 契約書に帰属条項があるか確認する トラブル11件・16.7%
9 Search Console・GA4・サーバー・ドメインの名義 自社名義に統一し、業者を招待する形にする トラブル11件・16.7%/8件・12.1%

9項目すべてに答えが返ってくる必要はありません。 重要なのは、質問に対して書面で回答が出てくるかどうかです。 良い会社でも即答できない項目はあります。その場合「確認して書面でお返しします」と返ってくれば十分です。 判断材料になるのは、回答を避ける、口頭で済ませようとする、質問すること自体を疑問視するという反応のほうです。

金額の比較は最後に回す

見積もりを並べて金額の安い順に検討するのは、順番として最後です。 作業範囲・対象キーワードの競合度・契約期間の3つが揃っていない見積もりは、 比較しても意味がありません。

たとえば月額10万円のコンサルティングと月額3万円の運用代行では、 前者に実装作業が含まれない場合、社内工数を加えた総額は逆転しえます。 初期費用の有無も同様です。比較するなら初年度の総額で並べてください。 形態別の相場はSEO対策の費用相場に、 価格の安さをどう判断するかは格安SEO対策は危険か?見極める5つの基準にまとめています。

では、良い提案書とはどういうものか

問題点だけを並べても判断はできません。 分析した100社の中には、読めば作業が想像でき、条件も明示されている提案書がありました。 共通していたのは次の4点です。

判断材料が揃っている提案書に共通していた4点
要素 具体的な現れ方
現状分析が自社サイトの固有名詞で書かれている 実際のページ名やURL、現在のtitleの文面が引用されている。汎用テンプレートに社名だけ差し替えたものではない
対策キーワードに選定理由が付いている 検索需要と商圏の一致、競合状況、成約に近い語かどうかの説明がある
できないことが書かれている 対象外のキーワード、作業範囲に含まれない作業、順位を保証しない旨が明記されている
条件が数値で書かれている 契約期間、通知期限、違約金の算定式、レポートの頻度が数字で示されている

3点目の「できないことが書かれている」が、最も分かりやすい指標だと考えています。 範囲を限定できるということは、範囲を把握しているということです。 何でもできると書かれた提案書ほど、何をするかが書かれていません。

当社の場合はどう書いているか

自社の話をしておきます。中立な立場ではないため、 読者が同じ基準で当社を評価できるように条件を並べます。

当社が向かないケース

  • 1〜2ヶ月だけ試したい——基本契約期間が1年のため向きません
  • 全国規模の単一キーワードを狙いたい——対象外です。コンサルティング型やコンテンツSEO型の会社が適しています
  • 記事の企画・執筆を含む本格的なコンテンツSEOが必要——作業範囲に含まれません
  • 大規模サイトの技術監査が必要——テクニカルSEOのスポット契約を扱う会社が適しています
  • 検索需要がほとんどないキーワードしか候補がない——上位に立っても流入が増えないため、SEO以外の集客手段を検討すべきです

このデータで言えないこと

数字を出す以上、どこまでが言えて、どこからが言えないかも書いておきます。

この最後の1点は、本ページの主題そのものでもあります。 提案書で最も多かった問題は「成果保証」でした。 その提案書を批判する記事が「上位表示率○%」を根拠に自社の優位を主張するのでは、 構造は同じです。検証できない数字は、出さないほうが判断の役に立ちます。

よくある質問

SEO業者の提案書で最も多かった問題は何ですか?

相談時に持ち込まれた他社提案書100社(集計対象99件)の分析では、「成果保証を謳っている」が36社・35.3%で最多でした。次いで「具体的な施策の記載がない」31社・30.4%、「契約期間・解約条件の記載がない」18社・17.5%、「被リンク購入を示唆」17社・16.7%です。1社の提案書が複数の特徴を同時に持つ場合があるため、合計は100%になりません。

「必ず1位にします」という提案は信用できますか?

できません。検索順位を決めるのはGoogleのアルゴリズムであり、SEO会社が制御できるのは自社サイト側の要素だけです。競合の動きとアルゴリズム更新は制御できないため、順位そのものを保証することは構造的に不可能です。Google検索セントラルも、順位の保証を約束する業者に注意するよう明記しています。

保証を謳う提案書を受け取った場合は、保証の定義(何位まで、どの検索環境で、いつ測定するか)と、保証が満たされなかったときの取り扱いを書面で確認してください。詳細はこちら

SEOの提案書で具体的に何を確認すればよいですか?

5点です。1つ目、対策キーワードとその選定理由。2つ目、初月・2〜3ヶ月目に具体的に何をするかの作業内容。3つ目、実行主体(業者が実装するのか、指示書だけ渡されて自社が実装するのか)。4つ目、契約期間・自動更新の有無・途中解約の可否・違約金の算定方法。5つ目、被リンクを扱う場合はその取得方法。このうち1つでも書面に書かれていない項目があれば、追記を依頼してください。断られる場合は、その時点が判断材料になります。全項目は9項目のチェックリストにまとめています。

「強力な被リンクを提供します」という提案は問題がありますか?

被リンク購入を示唆する提案は、分析した100社中17社・16.7%にありました。金銭を対価としたリンクの売買はGoogleのスパムに関するポリシーに反する行為で、リンクが評価されないだけでなく、ランキング上の措置につながる可能性があります。

実務上より重要なのは、そのリンクの多くが業者側の資産であるため、契約が終われば外されるという点です。施策前より状況が悪くなることがあります。実際、他社SEOで失敗した相談66件のうち「ブラックハット施策で順位が消えた」は14件・21.2%でした。被リンクの考え方はこちら

他社のSEOで実際に起きているトラブルにはどんなものがありますか?

他社SEOで失敗した相談66件(2023年1月16日〜2025年8月31日)の分類では、「効果が出ないのに契約更新を迫られた」が19件・28.8%で最多でした。次いで「成果報酬の条件が曖昧だった」14件・21.2%、「ブラックハット施策で順位が消えた」14件・21.2%、「解約時にデータを返してもらえない」11件・16.7%、「連絡が取れなくなった」8件・12.1%です。内訳はこちら

契約期間や解約条件が書かれていない提案書は危険ですか?

分析した100社のうち18社・17.5%で契約期間・解約条件の記載がありませんでした。提案書に書かれていない場合、条件は契約書側にのみ存在します。自動更新の有無、更新拒否の通知期限、途中解約時の違約金の算定方法の3点は、提案を受けた段階で書面として出してもらってください。

実際のトラブルでも「効果が出ないのに契約更新を迫られた」が最多の28.8%を占めています。契約したその日に、更新拒否の通知期限をカレンダーに登録しておくことをおすすめします。

安いSEO業者は避けたほうがよいですか?

価格の高低だけでは判断できません。判断材料になるのは、価格に対して作業範囲と対象キーワードの競合度が明示されているかです。高額でも施策内容が抽象的な提案はありますし、低価格でも対象を限定して作業内容を開示している場合は妥当性を確認できます。金額を比べる前に、対象キーワード・作業範囲・契約期間の3点を揃えてから並べてください。判断基準は格安SEO対策は危険か?見極める5つの基準で整理しています。

解約するときにデータを返してもらえないことはありますか?

他社SEOで失敗した相談66件のうち11件・16.7%が「解約時にデータを返してもらえない」でした。原因の多くは、成果物の帰属が契約書に書かれていないことと、Search Console・GA4・サーバー・ドメインの管理権限が業者側のアカウントに置かれていることです。

契約前に、成果物の著作権と利用許諾の帰属、解約時の引き渡し範囲、各種アカウントの所有者を確認してください。管理権限は自社アカウントで保有し、業者を招待する形にするのが安全です。設定は数十分で済みます。

提案書を持ち込んで相談することはできますか?

はい。本ページのデータは、そうしたご相談の蓄積から集計したものです。ただし当社はSEOサービスの提供者であり、中立な第三者ではありません。提案内容の妥当性について最終的な判断を行う立場にはないことをご理解のうえ、ご利用ください。9項目のチェックリストをご自身で当てはめていただくだけでも、確認すべき箇所は絞れます。

ワンコインSEOが向かないのはどんなケースですか?

3つあります。1〜2ヶ月だけ試したい方(基本契約期間が1年のため向きません)。「SEO」「保険」のような全国規模の単一キーワードを狙う方(対象外です)。記事の企画・執筆を含む本格的なコンテンツSEOや、大規模サイトの技術監査が必要な方(作業範囲に含まれないため、コンサルティング型やコンテンツSEO型の会社が適しています)。

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他社の提案書と、同じ基準で比べてください

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