税理士・会計事務所のSEO対策【2026年版】|業種特化と「地域名×顧問料」の設計
税理士事務所の顧客獲得は、長らく紹介と地縁で成り立ってきました。 しかし、創業したばかりの経営者や、顧問税理士を変えたい経営者は、 まず検索します。
紹介だけに依存していると、この層には一生届きません。 そしてこの層は、既存顧客より単価が高くなることが多いという特徴があります。
このページは、税理士事務所のSEO対策の設計をまとめた解説です。 当社は、順位計測ツールのキャプチャと測定日を添えた形でのみ実績を公開しています。 税理士事務所の実測値は下のセクションに、 他業種の記録はSEO対策実績と 実測データに掲載しています。
税理士が検索されるのは、どういう場面か
| 状況 | 検索の例 | 緊急度 |
|---|---|---|
| これから起業する | 会社設立+地域名、創業融資 | 高い |
| 確定申告が迫っている | 確定申告 丸投げ+地域名 | 非常に高い |
| 今の税理士に不満 | 税理士 変更、顧問料 高い | 中 |
| 相続が発生した | 相続税 申告+地域名 | 高い。単価も高い |
| 税務調査の連絡 | 税務調査 対応 税理士 | 非常に高い |
| 法人化を検討 | 法人成り タイミング | 中 |
| 補助金・融資 | 補助金 申請 サポート+地域名 | 時期依存 |
「税理士 + 地域名」だけを狙うのは非効率です。 検索している人は税理士を探しているのではなく、 目の前の課題を解決したいのです。 課題の言葉でページを作れば、競合は一気に減ります。
実績:38位 → 7位
業種特化が、最も強い差別化になる
税理士のSEOで最も効果が大きいのは、業種を絞ることです。 「飲食店に強い税理士」「建設業専門」「医院・クリニック専門」—— この形にすると、検索でも紹介でも選ばれやすくなります。
| 特化先 | その業種特有の論点 |
|---|---|
| 飲食店 | 原価率、人件費、日々の現金管理、軽減税率 |
| 建設業 | 工事進行基準、外注費と給与の区分、許可要件の財務 |
| 医院・クリニック | 自由診療と保険診療、医療法人化の判断 |
| 不動産賃貸 | 減価償却、修繕費と資本的支出、法人化 |
| EC・ネット物販 | 在庫管理、プラットフォーム手数料、越境の消費税 |
| フリーランス | 経費の範囲、インボイス、法人成りの分岐点 |
これらは一般的な税務解説では書けない内容です。 だからこそ、書けば差がつきます。 その業種の経営者が「この人は分かっている」と感じるページが作れれば、 地域を越えて依頼が来ることもあります。
顧問料を開示するかどうか
税理士事務所のサイトで最も議論が分かれるのが料金表示です。 結論から言えば、目安でも開示している事務所のほうが問い合わせを得ています。
| 観点 | 開示する | 開示しない |
|---|---|---|
| 問い合わせ数 | 増える傾向 | 減る傾向 |
| 問い合わせの質 | 予算感が合う人が来る | ばらつく |
| 価格交渉 | 基準ができる | 都度の交渉になる |
| 検索での有利さ | 「顧問料」系の検索を拾える | 拾えない |
| 既存顧客との整合 | 説明が必要な場合がある | 問題にならない |
「顧問料 相場」「税理士 費用」は検索需要が大きい領域です。 売上規模別・訪問頻度別の目安を表で示し、 何が含まれ、何が別料金なのかを明記してください。 記帳代行、給与計算、年末調整、決算申告の切り分けが、 利用者にとって最も分かりにくい部分です。
税理士事務所が注意すべき点
- 税理士法——税務相談・税務代理・税務書類の作成は税理士の独占業務です。無資格者による対応と受け取られる記述は避けてください
- 担当者の明示——誰が対応するのかを明記します。YMYL領域として評価に影響します
- 税制改正への追随——記事にいつ時点の情報かを明記し、改正時に更新します
- 出典——国税庁のタックスアンサーや法令へリンクします
- 断定的な節税手法の記述——個別事情により結論が変わる旨を添えてください
- 顧客名の掲載——守秘義務があるため、同意なく記載しないでください
この業種でよくある、5つの失敗
1. 「税理士+地域名」だけを狙っている
競合が厚いうえに、検索している人の課題が分かりません。確定申告、相続税、会社設立、税理士変更といった課題の言葉でページを作るほうが、競合も薄く、問い合わせの質も上がります。
2. 何でも対応できると書いている
対応範囲が広いことは強みですが、検索では弱くなります。何にでも対応と書かれたページは、特定の課題を抱えた人には見つかりません。特化分野を明示したうえで、その中で総合的に対応できることを伝えてください。
3. 顧問料をまったく書いていない
案件により変動するのは事実ですが、目安すらない状態では問い合わせに進めません。売上規模別の目安を表で示すだけで、問い合わせ数と質の両方が改善します。書かないことによる機会損失のほうが大きくなります。
4. 記事が税制改正に追いついていない
古い税率や制度のまま放置された記事は、正確性の面でも検索エンジンの評価の面でも不利になります。YMYL領域では特に重く見られます。新しい記事を増やす前に、既存記事の点検を優先してください。
5. 誰が担当するのか分からない
税理士の氏名、登録番号、所属税理士会、経歴が書かれていないサイトは、YMYL領域では評価されにくくなります。所長だけでなく、実際に担当する職員の体制についても触れておくと、規模感が伝わります。
いずれも、順位を上げる前に潰しておくべきものです。 流入が増えても、これらが残っていれば問い合わせにはつながりません。
最初の90日でやること
1〜30日目
- 特化する業種または分野を決める。これが最大の判断になる
- 顧問料の目安を表で公開。売上規模別・訪問頻度別に
- 税理士のプロフィール整備。氏名、登録番号、所属税理士会、経歴、得意分野
- 問い合わせから契約までの流れを明記
- 対応地域と、オンライン対応の可否を明記
31〜60日目
- 特化業種向けページを厚く作る。その業種特有の論点を具体的に
- 顧問料の内訳ページ。何が含まれ、何が別料金か
- 税理士を変更する手順のページ。検索需要が大きく、競合が薄い
- 創業・会社設立のページ。融資と絡めると強い
61〜90日目
- 相続税のページ。単価が高く、地域性もある
- 確定申告のページ。12月には公開しておく
- 制度解説記事を2〜3本。インボイス、電子帳簿保存法など
- 既存記事の税制改正対応を点検
自社でやるか、外注するか
ここまでの内容は、すべて自社で実行できます。 実際、顧問料の表を作って公開するだけでも、問い合わせは変わります。 ただし、続けられるかどうかは別の問題です。
| 項目 | 自社でやる | 外注する |
|---|---|---|
| 費用 | かからない | 月額が発生する |
| 内容の正確さ | 自社が最も詳しい | ヒアリングの精度による |
| 技術的な設定 | 調べる時間が必要 | 任せられる |
| 継続性 | 止まりやすい | 続く |
| 効果の判断 | 見方の習得が必要 | 報告を受けられる |
現実的なのは、分担することです。 税務の内容は税理士が書き、キーワード設計と技術面を外部に任せる形が現実的です。 内容は自社が書き、技術的な部分と方針は外部に任せる—— この形が、費用と品質のバランスが最もよくなります。 自分でやる場合の手順はSEO対策は自分でできる?にまとめています。
順位が上がらないときの、切り分け
数ヶ月やっても動かない場合、原因は次のどれかです。 上から順に確認してください。
- そもそもインデックスされていない——Search Console で登録状況を確認します。ここが原因であれば、他を見ても意味がありません
- キーワードの選定が現実的でない——大手が占めている領域を狙っていないか。もう一段絞れないかを検討します
- ページの内容が薄い——検索している人の疑問に答えきれているか。競合のページと並べて比較します
- 期間が足りない——税務分野もYMYLにあたり、4〜8ヶ月は見込んでください
- 技術的な問題——表示速度、スマートフォン対応、重複ページなど
- 指名検索が取れていない——事務所名での検索で公式サイトが1位に出ているかを確認してください
順位が下がった場合の切り分けは、原因ごとに手順が違います。 アルゴリズムの更新なのか、自サイトの問題なのか、競合の動きなのか—— 詳しくは検索順位が下がった原因の切り分け方をご覧ください。
よくあるご質問
確定申告の時期だけ集客できればよいのですが、SEOは向いていますか?
向いていますが、時期の設計が必要です。検索エンジンに評価されるまで時間がかかるため、確定申告シーズンに順位を上げたいなら、遅くとも前年の秋から冬にはページを公開しておく必要があります。直前に作っても間に合いません。
顧問料はサイトに書くべきですか?
目安でも書くことをおすすめします。顧問料や税理士費用に関する検索は需要が大きく、開示している事務所はその検索を拾えます。また、予算感の合う方から問い合わせが来るため、商談の効率も上がります。売上規模別、訪問頻度別の表にし、何が含まれ何が別料金かを明記してください。
業種を絞ると、他の業種の依頼が来なくなりませんか?
実際には逆の結果になることが多くあります。特化を明示したページは検索で見つかりやすく、その業種の経営者から選ばれます。他業種の依頼は、サイト内で総合的に対応できることを案内すれば受けられます。何でもできると書いてあるサイトは、誰にも見つかりません。
税理士の変更を考えている人向けのページは作るべきですか?
作る価値が高い領域です。検索需要があるにもかかわらず、書いている事務所が少ない状態です。変更のタイミング、必要な引き継ぎ、これまでの資料の扱い、契約期間中の解約といった実務的な内容を書いてください。
記事はどのくらいの頻度で更新すべきですか?
頻度より、税制改正への追随を優先してください。改正があった項目を放置するほうが、更新頻度が低いことより問題になります。記事にいつ時点の情報かを明記し、国税庁のタックスアンサーなどを出典として示してください。
顧客の事例を掲載してもよいですか?
守秘義務があるため、同意なく記載しないでください。同意が得られない場合は、事例ではなく論点の解説として書く方法があります。業種、規模、課題、対応の考え方を抽象化すれば、顧客が特定されない形で有用な内容にできます。
オンライン対応であれば、地域名は不要ですか?
地域名は入れておくことをおすすめします。オンラインで完結できる場合でも、経営者は近くの税理士を探す傾向が残っています。対応地域を明記したうえで、オンラインでも対応できることを併記するのが現実的です。
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