弁護士・法律事務所のSEO対策【2026年版】|分野特化と日弁連の広告規程

法律事務所の集客は、大手の弁護士ポータルサイトと、 広告費を大量投下する一部の事務所が上位を占めています。 地域の事務所が同じ土俵で戦うのは現実的ではありません。

勝ち筋は「分野 × 地域」の絞り込みです。 ただしその前に、日弁連の業務広告規程を押さえておく必要があります。

このページは、法律事務所のSEO対策の設計をまとめた解説です。 当社は、順位計測ツールのキャプチャと測定日を添えた形でのみ実績を公開しています。 現在34キーワード分をSEO対策実績34キーワードの実測データに掲載していますので、 あわせてご覧ください。 法律事務所についても、計測できたものから同じ形式で追加していきます。

日弁連の業務広告に関する規程

弁護士の広告は2000年に解禁されましたが、 日本弁護士連合会の「弁護士の業務広告に関する規程」による制限があります。 サイトの記述もこの対象です。

禁止されている広告の主な類型
類型具体例
事実に合致しない広告実績や取扱分野の虚偽記載
誤導・誤認のおそれ結果を保証すると受け取れる表現
誇大・過度な期待「必ず取り戻せます」など
困惑・過度な不安をあおる「今すぐ相談しないと手遅れ」など
特定の弁護士との比較他事務所を名指しした優劣の表示
訴訟の勝訴率の表示規程で明確に禁止されています

「勝訴率◯%」「解決率◯%」といった数字は、この業界では使えません。 規程違反が認められた場合、 弁護士会から広告の中止その他の必要な事項が命じられ、 従わない場合は事実と理由の要旨が公表されることがあります。 数字で優位性を示すのではなく、 対応の具体性と情報の正確さで差をつける設計にしてください。

この制約は、実はSEOにとって不利ではありません。 「解決実績No.1」のような表示は、 そもそも読者にとって判断材料になりません。 それより「この手続きは何ヶ月かかり、費用はいくらで、 何が必要になるのか」を正確に書いたページのほうが、 検索意図に合致し、結果的に選ばれます。

分野を絞る——これが最大の判断

「弁護士 + 地域名」は競合が非常に厚く、 総合型の事務所が上位を取るのは極めて困難です。 一方、分野を絞った検索は競合が一気に薄くなります。

分野別・競合の厚さと特徴
分野競合特徴
交通事故非常に厚い広告費が大量に投下されている
債務整理非常に厚い同上
離婚厚い地域名で絞れば余地がある
相続地域性が高く、狙いやすい
労働(使用者側)薄い法人向け。単価が安定
不動産・境界薄い地域密着と相性がよい
中小企業の顧問非常に薄い継続収益。競合がほぼいない
事業承継非常に薄い単価が高い

下の3つは、検索数こそ少ないものの、競合がほとんどいません。 「顧問弁護士+地域名」「就業規則 作成+地域名」といった検索は、 1件あたりの価値が大きく、継続的な関係になります。 個人向けの分野で消耗するより、こちらのほうが現実的な場合が多くあります。

相談前の疑問に、先に答える

法律相談のハードルは高く、「相談していいのか分からない」段階で止まっている人が 大多数です。ここに応えるページが、そのまま集客ページになります。

費用を書いていない事務所は、まだ多くあります。 案件により変動するのは事実ですが、 「まったく分からない」状態では相談に進めません。 「◯◯のケースでは着手金◯万円程度から」という書き方であれば、 誤導にはあたりません。 書いている事務所のほうが、確実に問い合わせを得ています。

法律分野はYMYL——正確さが順位を左右する

法律情報はYMYL(人生や財産に重大な影響を与える領域)にあたり、 検索エンジンは誰が書いたのかを強く評価します。

相続法や民法は近年大きく改正されています。 古い内容のまま放置された記事は、 正確性の観点でも、検索エンジンの評価の観点でも不利になります。 記事を増やす前に、既存記事が現行法に合っているかを確認してください。 詳しくはE-E-A-Tとはをご覧ください。

解決事例を書くときの注意

解決事例は有効なコンテンツですが、守秘義務との関係を必ず確認してください。

同意が得られない場合は、事例ではなく「手続きの解説」として書いてください。 どんな流れで、何が争点になり、何を準備するのか—— これは事例を出さなくても書けますし、検索している人にとっての有用性は同等です。

最初の90日でやること

1〜30日目

  1. 既存サイトの表示を点検。勝訴率、解決率、結果を保証する表現がないか
  2. 注力分野を1〜2つに決める。すべてを扱うと書いても、検索では拾われない
  3. 弁護士プロフィールの整備。氏名、登録番号、所属弁護士会、経歴、取扱分野
  4. 相談の流れと費用の目安を明記
  5. アクセス・相談時間・予約方法の整備

31〜60日目

  1. 注力分野のページを厚く作る。手続きの流れ、期間、費用、必要書類
  2. 相談前のよくある疑問ページ。相談料、持ち物、秘密の扱い
  3. 分野内の細分化ページを2本。相続なら「遺産分割」「遺留分」など
  4. 既存記事の法改正対応を点検

61〜90日目

  1. 法人向けページ。顧問契約、労働問題、契約書レビュー。競合が薄い
  2. 地域名を含むページ。管轄裁判所や役所の情報を含めると地域性が出る
  3. 解決事例または手続き解説を追加
  4. 執筆者情報をすべての記事に付与

法律分野は、成果が出るまでに時間がかかります。 YMYL領域であり、検索エンジンが慎重に評価するためです。 6ヶ月から1年の視点で、正確な記事を積み上げてください。 短期間で順位が上がると主張する手法には、注意が必要です。 詳しくはSEO会社の選び方をご覧ください。

自社でやるか、外注するか

ここまでの内容は、すべて自社で実行できます。 実際、手続きの解説は、弁護士本人が書くのが最も正確です。 ただし、続けられるかどうかは別の問題です。

自社でやる場合と、外注する場合の違い
項目自社でやる外注する
費用かからない月額が発生する
内容の正確さ自社が最も詳しいヒアリングの精度による
技術的な設定調べる時間が必要任せられる
継続性止まりやすい続く
効果の判断見方の習得が必要報告を受けられる

現実的なのは、分担することです。 記事の中身は弁護士が書き、構成と技術的な部分を外部に任せる形が現実的です。 内容は自社が書き、技術的な部分と方針は外部に任せる—— この形が、費用と品質のバランスが最もよくなります。 自分でやる場合の手順はSEO対策は自分でできる?にまとめています。

順位が上がらないときの、切り分け

数ヶ月やっても動かない場合、原因は次のどれかです。 上から順に確認してください。

  1. そもそもインデックスされていない——Search Console で登録状況を確認します。ここが原因であれば、他を見ても意味がありません
  2. キーワードの選定が現実的でない——大手が占めている領域を狙っていないか。もう一段絞れないかを検討します
  3. ページの内容が薄い——検索している人の疑問に答えきれているか。競合のページと並べて比較します
  4. 期間が足りない——法律分野はYMYLにあたり、6ヶ月〜1年を見込む必要があります
  5. 技術的な問題——表示速度、スマートフォン対応、重複ページなど
  6. 指名検索が取れていない——事務所名で検索したときに公式サイトが1位に出ているかを確認してください

順位が下がった場合の切り分けは、原因ごとに手順が違います。 アルゴリズムの更新なのか、自サイトの問題なのか、競合の動きなのか—— 詳しくは検索順位が下がった原因の切り分け方をご覧ください。

よくあるご質問

「勝訴率90%」とサイトに書いてもよいですか?

書けません。日本弁護士連合会の弁護士の業務広告に関する規程で、訴訟の勝訴率を表示した広告は明確に禁止されています。規程違反が認められた場合、弁護士会から広告の中止が命じられ、従わない場合は事実と理由の要旨が公表されることがあります。

どんな表現が禁止されていますか?

事実に合致しない広告、誤導または誤認のおそれのある広告、誇大または過度な期待を抱かせる広告、困惑させたり過度な不安をあおる広告、特定の弁護士や法律事務所との比較広告、訴訟の勝訴率を表示した広告などです。必ず取り戻せます、今すぐ相談しないと手遅れ、といった表現は避けてください。

総合型の事務所ですが、分野を絞るべきですか?

サイト上は絞ることをおすすめします。弁護士と地域名の検索は競合が非常に厚く、総合型が上位を取るのは困難です。すべてを扱うと書いても、検索では拾われません。注力分野を1つか2つ決めてページを厚く作り、その中で他分野も案内する順序にしてください。

どの分野が狙いやすいですか?

交通事故と債務整理は広告費が大量に投下されており厳しい状況です。相続は地域性が高く狙いやすく、使用者側の労働問題、不動産や境界、中小企業の顧問、事業承継といった法人向け分野は競合がほとんどいません。検索数は少なくても1件あたりの価値が大きく、継続的な関係になります。

費用をサイトに書くべきですか?

目安でも書いてください。案件により変動するのは事実ですが、まったく分からない状態では相談に進めません。このケースでは着手金いくら程度から、という書き方であれば誤導にはあたりません。書いている事務所のほうが確実に問い合わせを得ています。

解決事例を掲載する際の注意点は?

依頼者の同意を掲載範囲を含めて得たうえで、年齢は年代、地域は都道府県、職業は業種程度に粒度を落としてください。同様の結果が得られますといった一般化は誤導にあたります。同意が得られない場合は、事例ではなく手続きの解説として書けば、有用性は同等です。

法律分野のSEOは、どのくらいで成果が出ますか?

YMYL領域にあたり検索エンジンが慎重に評価するため、他業種より時間がかかります。6ヶ月から1年の視点で、正確な記事を積み上げてください。短期間で上位表示できると主張する手法には注意が必要です。

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